甲状腺ホルモントランスポーター遺伝子群による血液脳関門モデルのデザイン
研究課題情報
- 体系的番号
- JP11557188 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 11557188
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 医学 > 薬学 > 医薬分子機能学
- 研究機関
-
- 東北大学
- 研究期間 (年度)
- 1999 〜 2000
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 13,500,000 円 (直接経費: 13,500,000 円)
研究概要
有機アニオントランスポーターを発現させた培養細胞を用いて、神経系への薬物の取り込みを行う試みが数多くなされてきたが、発現量の少なさや、導入の困難さから研究が進んでいなかった。我々は動物細胞で働くCAGプロモーターを含むコスミドベクターにLST1、LST2のcoding領域を挿入した。このベクターをpackagingしたのち大腸菌に感染させた。以上の方法で作製したコンストラクトをアデノウイルスゲノムDNAと共にリン酸カルシウム法でHEK293細胞に導入した。293細胞内でコスミドベクターとアデノウイルスゲノムDNAとの間で相同組み換えがおき、LST1,LST2組み換えアデノウイルスができた細胞のみが293細胞の膨化と細胞死によるplaqueを形成した。次いでLST1,LST2の蛋白が発現していることを確認するために、PCRによりバンドが認められたサンプル(ウイルス)を15cm dishに培養した293細胞に感染させ、細胞ごと回収しWestern blot法でLST1は81kDaに、LST2は88kDaに、いずれもコントロールの293細胞に対して有意なシグナルを確認した。シグナルが確認できたサンプルからウイルスを大量に作製するため、15cm dishに培養した293細胞を1サンプルにつき30plate用意し、全てにウイルスを感染させ細胞ごと回収し、超遠心及び透析によりウイルスを精製した。精製されたウイルス液のvirus titerを蛋白定量により近似したところ、LST1組み換えアデノウイルスは1.26×10^*10PFU/ml、LST2組み換えアデノウイルスは1.48×10^<10>PFU/mlであった。更に近似したvirus titerに従い、濃度を振って希釈したアデノウイルスを96穴plateに培養した293細胞に感染させ、比色法によりIC50を与えるウイルス濃度を求めた。LST1組み換えアデノウイルスはIC50=0.15PFU/cell、LST2組み換えアデノウイルスはIC50=0.2PFU/cellであった。 LST1およびLST2組み換えアデノウイルスを培地中に投与したヒト培養肝細胞(PLC/PRF-5、HT-17、HepG2)は胆汁酸、ステロイドホルモンをベースに比べて薬30〜100倍取り込み、効果的な有機アニオントランスポーターの遺伝子導入方法が確立された。