六方晶系ワイドギャップ化合物半導体の極性制御による光電子物性の飛躍的改善の研究
研究課題情報
- 体系的番号
- JP13450121 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 13450121
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
-
- 工学 > 電気電子工学 > 電子・電気材料工学
- 研究機関
-
- 千葉大学
- 研究期間 (年度)
- 2001 〜 2004
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 15,000,000 円 (直接経費: 15,000,000 円)
研究概要
GaNに代表されるワイドギャップ半導体は、その結晶系が六方晶ウルツァイト構造でありC軸方向に結晶対称性を欠いている。そして、+C極性(GaNではGa極性)と-C極性(N極性)ではエピタキシプロセスはもちろんのこと、表面物性ひいてはエピタキシ膜の特性も大きく異なっている。そして一般に窒化物系結晶では+C極性が好ましいとされてきた。しかし、これら六方晶系化合物半導体の極性の決定機構やその制御機構については不明な点が多い。 本研究は、まず、MOVPEとMBEにおけるC面サファイア基板上へのGaNのエピタキシにおける極性制御機構の検討からはじめ、つぎにMBEによるZnOの極性制御機構の検討を進めた。また、これらの知見を元にInNのエピタキシへと展開し、光電子物性の飛躍的改善のための以下の知見を得た。 (1)GaNのエピタキシにおいてN極性からGa極性への転換が、Al金属などIII族金属で覆われた表面の安定性と2原子層"凍結"モデルで解釈でき、極性転換が可能であることを示した。また、まず基板窒化によるN極性のAlN下地層とし、次に極性反転するGaNエピタキシ技術により、いわゆるELOに匹敵する結晶性を有するGaN膜の作製が可能である。 (2)ZnOのエピタキシでは、酸化物がアモルファスになりやすいために、基板結晶と堆積膜結晶とのエピタキシ関係が不定になりやすいことを明らかにした。また、C面サファイア基板の窒化、GaN低温成長緩衝層、引き続いての高温成長GaN下地層によるZnOエピタキシ層への影響を詳しく検討し、極性制御法を確立した。 (3)InNの極性制御とその影響を世界に先駆けて詳細に検討した。InNでは他の窒化物と異なり、N極性でのエピタキシが、成膜可能温度が600度程度とIn極性の場合より約100度高くできるため、好ましいことを明らかにした。