深夜保育所の保育環境整備に関する研究 ―保育内容からみた空間の機能分析による保育環境のあり方―
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- 北浦 かほる
- 研究代表者
- 大阪市立大学
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- 萩原 美智子
- 研究分担者/共同研究者
- 大手前女子短期大学
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- 申 京珠
- 研究分担者/共同研究者
- 漢陽大学
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- KYUNG Joo shin
- 研究分担者/共同研究者
- HAN YANG UNIVERSITY, DEPT.OF INTERIOR DESIGN, PROFESSOR
研究課題情報
- 体系的番号
- JP13480023 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 13480023
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 複合領域 > 家政学 > 家政学一般(含衣・住環境)
- 研究機関
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- 大阪市立大学
- 研究期間 (年度)
- 2001 〜 2003
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 9,500,000 円 (直接経費: 9,500,000 円)
研究概要
北海道から沖縄にいたる国内の21の認可夜間保育園の開園から閉園までを調査し、夜間児約1300人の状況を把握した。夜間児は昼食と夕食の2食を保育園でとり、午睡と夜の就寝の一部を保育園でしていた。在園時間が12時間以上の子が半数を占め、在園時間が19時間以上と長い子も多くみられた。夜間保育園は夜間児にとって生活の中心の場であり住まいそのものであった。そのため、個人収納や便所・浴室などの私的空間としての子どもの居場所、食寝のための空間、自由遊びの空間の充足が求められた。現状の入浴排泄空間はゆとりがなく私的空間としても不適切であった。食寝に関する一連の行為の重複がみられ衛生面での問題や、家具や寝具のセッティングなど保育士への過剰負担、子どもを時間で追い立てることになるなどの問題を生んでいた。食事室の設置が必須の課題であった。自由遊びの活性化のためには7項目の環境条件の充実が求められた。また、夜間保育所の固有の空間である「夜間室」のあり方、及び小規模の夜間専用園と規模の大きい昼夜併設園の空間計画の特徴を整理した。次に、海外に視野を広げることで夜間保育施設の新しい方向を追究した。欧米では家庭保育の伝統が強く夜間保育所の存在そのものが少ない。保護者の大半が就業しているデンマークでは24時間保育所が現在5ヶ所設置されていた。移動型などユニークな発想と、完備した施設がみられた。イタリアのレッジョエミリアでは、子どもの創造性を伸ばすための施設が造られていた。韓国のソウルでは65余と多くの夜間保育所が存在した中で17の公立夜間保育所を調査したが不充分な施設が目立った。アメリカでは、サンフランシスコ国際空港関係者の家族と近隣のために設立された非営利の民間組織Palcareと、3シフト制の企業内保育所Toyota Motor Manufacturing, Kentuckyを調査した。いずれも特色ある保育内容と固有の充実した施設を有していた。