マハーラーシュトラ州におけるヒンドゥー教の儀礼研究

研究課題情報

体系的番号
JP15520053
助成事業
科学研究費助成事業
資金配分機関情報
日本学術振興会(JSPS)
研究課題/領域番号
15520053
研究種目
基盤研究(C)
配分区分
  • 補助金
審査区分/研究分野
  • 人文社会系 > 人文学 > 哲学 > 印度哲学・仏教学
研究機関
  • 中京女子大学
研究期間 (年度)
2003 〜 2005
研究課題ステータス
完了
配分額*注記
3,000,000 円 (直接経費: 3,000,000 円)

研究概要

本研究においては、インド、マハーラーシュトラ州で現在行われているヒンドゥー教儀礼「マンガラーガウリー女神供養」(mangalagauripuja)を取り上げ、現地調査と文献研究よりその構造と特色を明らかにした。デカン高原の歴史においては、古くからさまざまな王朝が交替するにしたがってヒンドゥー教が広まっていった。特にマハーラーシュトラ州においては、13世紀以降バクティの運動が盛んとなり、バクティはマラータの民族運動と結びついていった。現代のマハーラーシュトラ州第二の都市であるプネー市は、マラータの伝統とともに、バラモンの伝統が根強く残る地域であり、前述のマンガラーガウリー供養も、新たに結婚したバラモンの女性により行われる儀礼である。 マンガラーガウリー女神供養は、1)口すすぎおよびヴィシュヌ神への敬礼、2)諸神への敬礼、3)儀礼執行の宣言、4)準備的儀礼、5)中心的儀礼(マンガラーガウリー女神の供養)、6)バラモン僧のもてなし、7)結びの敬礼文、8)マンガラーガウリー女神供養にまつわる話の朗読、9)灯火をまわす行為、の9つのプロセスよりなる。1)、2)のプロセスにおいて、儀礼をおこなうメンバーの身体を浄化し、3)において儀礼執行の宣言がなされる。4)においては、儀礼に使用される道具や供物の浄化が行われる。5)においてはマンガラーガウリー女神と夫シヴァ神の供養が行われ、オーソドックスな「16のもてなしからなる供養」の他に、神像の沐浴等がなされる。一連の供養が終了した後、この供養に関わるマラーティー語での話を女性のみが聞き、讃歌を唱えて灯火を回す行為(arti)でこの供養は終了する。マンガラーガウリー女神供養は新たに結婚した女性が幸福な結婚生活を願って行うもので、行為の中心となるのはほとんど女性であり男性は副次的な役割を担っているのみである。またこの供養においては、中心的儀礼において、16のもてなし中の沐浴の他に「大いなる聖別の沐浴」「吉祥の沐浴」等繰り返して女神像に水が供えられる。以上のことからこの供養では、水が重要な役割を担っていると考えられる。

関連論文

もっと見る

関連研究データ

もっと見る

関連図書・雑誌

もっと見る

関連博士論文

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

関連その他成果物

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

ページトップへ