木造住宅解体木材のリサイクル・リユース促進のための古材流通ネットワークの構築
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- 田中 圭
- 研究代表者
- 大分大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP15760616 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 15760616
- 研究種目
- 若手研究(B)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 理工系 > 工学 > 総合工学 > リサイクル工学
- 研究機関
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- 大分大学
- 研究期間 (年度)
- 2003 〜 2004
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 3,500,000 円 (直接経費: 3,500,000 円)
研究概要
本研究は、木造住宅の解体で排出される廃木材(以下、解体木材)の効率的なリサイクル・リユースを実現するため、大規模な設備と加工エネルギーを必要とするチップやパルプへのリサイクルではなく、木材としてのリユースを念頭に置いた解体木材の流通システムの構築を目指すものである。 このなかで本年度は、昨年度の手壊し解体工法の実地検証の際に得られた解体木材を用いて、その形状や風合いを活かした木製品の設計・試作を行った。これにより、桁の「追掛大栓継」部分の形状を背もたれ部分に取り入れたスツールや、高価なヤマザクラの床柱を脚に利用した座卓など数点の家具を試作した。これらの家具を地球環境や森林保全をテーマにしたイベントに出展し、一般ユーザーに見てもらうとともに、解体木材の再利用や試作した家具の感想などをアンケート調査した。これによるとユーザーの意見は、解体木材製品を「中古品」と認識して低い評価をする人と、「環境共生」や「アンティーク性」を感じて高く評価する人の二極化する傾向がはっきりと示された。解体木材からの家具製作は、大量生産は困難であるため、後者のユーザーをターゲットにした市場の開拓が望まれる。このほかに、解体木材の再利用方法として集成材の試作を行った。この結果、新材からの生産に比べ、手間・コストが大きく採算性に問題があるほか、一軒の住宅からの解体木材からでは品質の高い集成材を生産することが困難であることや、解体木材の幅が構造用集成材には適さないなど技術的課題も明らかになった。 また、解体木材を「生産」する側の解体業者と再利用に重要な役割を果たす建築業・製材業などの地域内での情報交換の場として、ホームページを制作した。これを情報のみならず、実際に解体木材の地域内での流通の一助とするべく、協力得られる地元企業とシステムの具体的な運用方法などの話し合いを始めた。