水没危機にあるオセアニア島嶼の全島民移住における社会・生態・健康の研究
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- 古澤 拓郎
- 研究代表者
- 京都大学
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- 石田 貴文
- 研究分担者/共同研究者
- 東京大学
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- 塚原 高広
- 研究分担者/共同研究者
- 東京女子医科大学
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- ピタカカ フリーダ
- 研究協力者
- ソロモン諸島保健医療省
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- ガブリエル スペンサー
- 研究協力者
- ソロモン諸島保健医療省
研究課題情報
- 体系的番号
- JP15H05123 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 15H05123
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 総合系 > 環境学 > 環境創成学 > 環境政策・環境社会システム
- 研究機関
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- 京都大学
- 研究期間 (年度)
- 2015-04-01 〜 2019-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 15,210,000 円 (直接経費: 11,700,000 円 間接経費: 3,510,000 円)
研究概要
海面上昇は各地で生活や生業に影響を及ぼしていた。ソロモン諸島の技術的・財政的事情により、調査期間内に移住計画が実行に移されることはなかったために、移住された後にどのような影響がでるかまでを明らかにすることはできなかった。一方、移住計画がなく、隔絶された地域で、人口過密、海面上昇、資源不足などを抱える社会ではメンタルヘルスの問題を抱えていることが明らかになった。都市部での生活習慣病リスクを抑えるととももに、このような地域でのメンタルヘルスを解消することも今後の公衆衛生上の課題である。そして海面上昇対策においては、これらの健康問題を解消する適応策が立案される必要がある。
ソロモン諸島の小島嶼部における海面上昇の社会影響を調査した、貴重な研究である。特に、そのような島の健康状態を調べた研究はほかにない。結果として、各地における感染症・栄養状態・生活習慣病などの疫学的パターンを示したうえ、地域による発生状況の違いを明らかにした。これまで、ほとんど研究がされてこなかった、メンタルヘルスの状況を明らかにしたことも特に重要であった。このような結果は、海面上昇が深刻化する中で、環境・社会と人々の健康を両立させる適応策を考えるために重要なものとなる。そして、日本や国際社会がそのためにどのような支援をしていくかを考えるための材料となるものである。