触媒化学気相成長法による酸化亜鉛ナノ構造の形成とカーボンナノ構造との複合
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- 寺迫 智昭
- 研究代表者
- 愛媛大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP16710086 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 16710086
- 研究種目
- 若手研究(B)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 総合・新領域系 > 複合新領域 > ナノ・マイクロ科学 > ナノ材料・ナノバイオサイエンス
- 研究機関
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- 愛媛大学
- 研究期間 (年度)
- 2004 〜 2005
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 3,200,000 円 (直接経費: 3,200,000 円)
研究概要
塩化亜鉛(ZnCl_2)-水(H_2O)原料系を用いた大気圧化学気相成長(CVD)法による硝酸ニッケル塗布SiO_2/Si(100)基板上への酸化亜鉛(ZnO)ナノワイヤー(NWs)の成長実験及び透過型電子顕微鏡(TEM)観察、制限視野電子線回折(SAED)測定、エネルギー分散X線分光(EDX)法によるNWsの局所構造解析を行った。その結果、成長時の原料供給(VI/II)比が大きい場合には気相-固相(VS)成長、小さい場合には触媒を介した気相-液相-固相(VLS)成長によってNWsが成長することが明らかになった。また、反応過程で生じるHClがNWsの成長を阻害し、成長の再現性に影響及ぼすという問題点も明らかになった。 そこで、HClの生成を避けるためにZnCl_2の代わりに高純度Zn粉末を用いたZn-H_2O原料系でのZnO NWsの作製を試みた。その結果、この原料系でのZnO NWsの成長の可能性が明らかになり、NWs成長の再現性を向上させることにも成功した。 硝酸ニッケルを直接基板上に塗布した場合、どちらの原料系を用いた場合にも昇温時に触媒金属微粒子間の凝集が生じるため、NWsの直径分布は80〜800nmと広い。そこで直径分布の均一化を図るためカーボンナノチューブの直径制御に用いられているゼオライト細孔へ触媒金属微粒子を担持するという方法をZnO NWs成長へ適用した。その結果、直径20〜100nmの単結晶ZnO NWsの成長が確認され、この方法が直径の制御に有効であることを示す結果が得られた。 ZnO NWと多層カーボンナノチューブ(MWNTs)とのヘテロ接合の形成を目的にZnO NWsを堆積したSiO_2/Si(100)基板上へエタノールを原料とする大気圧CVDの法によるMWNTsの成長を試みた。しかしながら、成長過程でZnO NWsが分解され、ヘテロ接合形成に至らなかった。