ハンス・アイスラーの「音楽における愚かさ」の内容と意義の解明
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- 藤嶋 ちはる
- 研究代表者
- 明治学院大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP16K02234 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 16K02234
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
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- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 人文社会系 > 人文学 > 芸術学 > 美学・芸術諸学
- 研究機関
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- 明治学院大学
- 研究期間 (年度)
- 2016-04-01 〜 2020-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 2,470,000 円 (直接経費: 1,900,000 円 間接経費: 570,000 円)
研究概要
アイスラーがその克服を生涯の課題と位置つけた「音楽における愚かさ」という概念は、彼の創作活動と本質的に不可分であった。この概念は重層的な意味と幅広い射程を持ち、音楽の有用性と危険性という普遍的な問いに端を発するものである。本研究ではこの概念を具体的な作品に基づいて再検証し、東ドイツの後の世代の作曲家への影響および同時代の思想との関連を考察することを通して、この概念の音楽美学的、社会学的な輪郭を明らかにした。
本研究の成果は、この概念がどのような歴史的、社会的背景をもって生まれ、何に対して警告を発し、そしてそれへの抵抗がどのように作品内部に結実しているかということを検討することで、その音楽史における意味と役割とを明らかしたことである。音楽の社会的機能を問題にするこの概念は、作曲家自身の経験に根差していると同時に、時代や地域を越えて妥当する。このような問題意識は今日の音楽状況にとってもきわめて重要な視点を提供すると考えられる。