7テスラMRによる「揺すぶられ子症候群」の法当白診断方法の開発
研究課題情報
- 体系的番号
- JP17659197 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 17659197
- 研究種目
- 萌芽研究
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 生物系 > 医歯薬学 > 社会医学 > 法医学
- 研究機関
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- 滋賀医科大学
- 研究期間 (年度)
- 2005 〜 2007
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 3,300,000 円 (直接経費: 3,300,000 円)
研究概要
研究グループでは,児童虐待事例の法医学的診察を行政機関とのタイアップにより実施,継続し,症例の蓄積を行ってきた。滋賀県,大阪府の鑑定医師を努めると共に,脳組織中では,アストロサイト,ミクログリア,さらに白血球共通抗原で膜に存在する糖タンパク質抗原量の増加が加齢的で,生後1年で極端に違ってくること等の死体解剖におけるデータ蓄積も行った。研究期間中に,画像的検査方法にて,脳底部や頸部血管の描出が可能であること,7テスラMR装置でフォルマリン固定脳での大脳構築検討が可能であることをしめした。解剖前に死産児遺体の頭部検査を7テスラMR装置を用い撮影を行い得た。ヘモグロビンの分布,ブドウ糖の分布などの検討が可能で,縦,横,斜め,のあらゆる面の分割が可能,さらに,立体構築画像の回転も可能であり,頭皮下出血や頭蓋骨骨折などを伴わない,回転性,剪断性の損傷検査に7テスラMR装置が有効であることが立証された。眼窩部分の構造も明瞭に描出できることから,Shaken-baby-syndromeの診断に有用であると判断できた。現状では,実験用の装置であるため,検出コイル部分の直径が十分では無いため,新生児などでの検査のみが可能であること,出生後1年の間に見られる脳内の細胞構築変化と画像との関連を検討する必要があることが新たな課題として見出された。虐待の診断と防止に関する啓蒙図書も出版した。