内外環境の攪乱による次世代影響評価:発達障害と性成熟障害のメカニズムの検証と予防
研究課題情報
- 体系的番号
- JP17H00788
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 17H00788
- 研究種目
- 基盤研究(A)
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
-
- 総合系 > 環境学 > 環境解析学 > 環境影響評価
- 研究機関
-
- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2017-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 43,030,000 円 (直接経費: 33,100,000 円 間接経費: 9,930,000 円)
研究概要
本研究ではダイオキシンを内外環境撹乱化学物質として捉え、ラットやマウスに対する次世代影響を検討し、それに対する予防法を構築することを目指した。成長ホルモン低下に重要な遺伝子としてDAPL1を同定した。Dapl1欠損マウスを作製し検討を続けている。ラット・マウスのUGTを包括的に調べ、グルココルチコイド抱合に関与する主要分子種を同定、ヘテロ欠損マウスも作製した。性未成熟に対しては、リポ酸を汎用性の高い混合飼料で母体から与えることで胎児期だけでなく成長後の改善が可能であることが示唆された。その他、母体におけるプロラクチン低下に関して、次世代、次々世代における母乳量の低下についても明らかにした。
本研究は、実験動物をモデルとして行われたものであり、比較的低用量であるが環境中レベルよりは高い濃度で実施され、ヒトと実験動物ではダイオキシンへの感受性に違いがあることには留意する必要があります。但し、ヒトでも環境からの低レベルダイオキシン等への暴露を免れることは難しく、生物学的半減期も長いことから基礎的研究として重要と考えます。内外環境の撹乱による次世代影響の機構とその予防法を構築することは、環境中の有害因子レベルの低減方法の構築を呼びかけることに加えて、性未成熟、発育障害さらには母体側の虐待への改善策を提起することになり、健康指針につながることが期待されます。