代数的サイクルと岩澤理論
研究課題情報
- 体系的番号
- JP17H02836
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 17H02836
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
-
- 理工系 > 数物系科学 > 数学 > 代数学
- 研究機関
-
- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2017-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 15,470,000 円 (直接経費: 11,900,000 円 間接経費: 3,570,000 円)
研究概要
まず一般Heegner cycleと保型形式の反円分岩澤理論について研究し, 非通常素点においても一般Heegner cycleをp進補間するPerrin-Riou理論を構築した. とくにPerrin-Riou twsitの一般化と精密化をおこなった. その後, 大阪大学の太田和惟氏と比較的マイルドな条件の元、この設定における岩澤主予想の半分の不等式を証明した. その後, 太田氏およびカリフォルニア工科大学(現テキサス大学)のAshay Burungale氏と共同で, CM楕円曲線の惰性的素数における反円分岩澤理論の研究を行い, 30年以上未解決であったRubin予想を解決した.
この研究は楕円曲線や保型形式の整数論を拡張し深めるものです. 楕円曲線は1980年頃までは純粋な数学的対象で社会的応用とは無縁でしたが, 今では楕円曲線論を使った暗号理論が構築され, 情報化社会にとって必要不可欠なものになっています. 保型形式も四則演算の次にくる高度な基本演算と位置付けられ, 将来的には社会への応用が見つかると確信しております. (すでに物理学では大きな活躍をしています.) このような数学的に非常に重要な対象の基礎的な研究を, 目先の利益に囚われずロングスパンで行えることこそ, 現在の社会の豊かさの象徴であり, 将来の発展に結びついています.