オットー・キルヒハイマーの政治思想と「包括政党」テーゼの再検討
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- 野口 雅弘
- 研究代表者
- 成蹊大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP17K03570 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 17K03570
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
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- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 人文社会系 > 社会科学 > 政治学 > 政治学
- 研究機関
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- 成蹊大学
- 研究期間 (年度)
- 2017-04-01 〜 2021-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,420,000 円 (直接経費: 3,400,000 円 間接経費: 1,020,000 円)
研究概要
「包括政党」(キャッチ・オール・パーティ)の概念で知られる政治学者オットー・キルヒハイマーの政治思想を、多角的に検討した。成果は以下の4点である。 1)キルヒハイマーは亡命中のアメリカで「戦略情報局」」(OSS)に勤務し、ノイマンとマルクーゼらとともに「ナチ・ドイツ秘密レポート」を執筆した。私はこのレポートを翻訳し、彼らの戦後構想を明らかにした。2)カール・シュミットの影響という観点から、私は「包括政党」テーゼの成立過程を明らかにした。3) 包括政党とテクノクラシーの関係を考察し、『忖度と官僚制の政治学』を執筆した。4)この視点から、ウェーバーの官僚制論を再検討した。
オットー・キルヒハイマーがノイマンやマルクーゼとともに書いた『ナチ・ドイツ秘密レポート』を翻訳し、彼らの戦後構想を検討し、またカール・シュミットとの知的交流をたどることで、キルヒハイマーが「包括政党」(キャッチ・オール・パーティ)テーゼを形成する過程を明らかにした。「包括政党」はテクノクラシーと親和的で、野党の衰退につながる。この連関と問題を示したことが本研究の成果である。