タングステン中の空孔型欠陥による水素捕獲とその水素による成長促進効果の研究
研究課題情報
- 体系的番号
- JP17K06993
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 17K06993
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
-
- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 理工系 > 工学 > 総合工学 > 核融合学
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2017-04-01 〜 2023-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,550,000 円 (直接経費: 3,500,000 円 間接経費: 1,050,000 円)
研究概要
タングステンは将来実用化が期待されている核融合炉内で使用される構造材料である。そして、燃料として使用される三重水素は放射性同位元素で、そのタングステン材料中での残留が心配されている。タングステン中の空孔や空孔集合体は水素同位元素の主要な捕獲サイトである。そこで、空孔クラスターの安定構造や成長過程を計算機シミュレーションを使って研究した。その結果、タングステン中の空孔クラスターの安定化には不純物が貢献していることがわかった。特に酸素の役割が重要と考えられる。
計算上は結合しないと考えられたタングステン空孔が、不純物を捕獲することで安定化し空孔クラスターの成長が促進されることがわかった。本研究は核融合炉材料の基礎的な研究に貢献できたと考える。また、不純物による安定化は他の金属でも見られることから、陽電子寿命測定実験などで観察される空孔クラスターの成長に対して新しい解釈を提案することになる。さらに、同じBCC金属である鉄について同様の計算を行い、タングステンと比較してその類似点や相違点を明らかにした。