三善晃の作曲様式-器楽作品と声楽作品の相互流入による様式形成とその意義-

研究課題情報

体系的番号
JP18520101
助成事業
科学研究費助成事業
資金配分機関情報
日本学術振興会(JSPS)
研究課題/領域番号
18520101
研究種目
基盤研究(C)
配分区分
  • 補助金
審査区分/研究分野
  • 人文社会系 > 人文学 > 哲学 > 美学・美術史
研究機関
  • 武蔵野音楽大学
研究期間 (年度)
2006 〜 2007
研究課題ステータス
完了
配分額*注記
1,550,000 円 (直接経費: 1,400,000 円 間接経費: 150,000 円)

研究概要

筆者の区分による三善晃(1933〜)の作曲活動の第1期(1950年代から1960年代半ばまで)を対象にした平成18年度の研究に引き続き、平成19年度は1960年代後半以降を対象に器楽作品と声楽作品の相互関係を考察した。その結果、第2期(1966年〜1971年)には合唱作品において、複数の声の響きと器楽による言葉のアーティキュレーションと音響化が認められ(たとえば《四季に》《王孫不帰》)、その手法は第3期(1972年〜1984年)における合唱とオーケストラのための3部作(《レクイエム》《詩篇》《響紋》)の合唱とオーケストラにも認められる。第4期(1985年〜1994年)における、合唱を2群に分けるほかピアノを2台にする等の編成の大規模化は、第2期、第3期における声と器楽の響きによるデクラメーション手法の延長にとらえられる。第5期(1995年〜)には三善にとって初のオペラとなる《遠い帆》(1999)を書くが、《遠い帆》では歌唱パートが朗唱に徹する傾向にあるのに対し、合唱とオーケストラのための《三つのイメージ》(2002)においては、言葉の音響化に創出的なデクラメーションが認められる。三善の構想する「オペラではないオペラ」は、オペラと銘打った作品においてよりも、声と器楽を複合させた作品において具現されている。また、声を伴わないオーケストラのための4部作(《夏の散乱》《谺つり星》《霧の果実》《焉歌・波摘み》)においては、三善がそれまで追求していた死と生の関係、あるいは個々の人間存在とそれらの関わりが、独奏楽器とオーケストラの関係やオーケストレーションに追求されている。

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