米国による同盟の戦略的調整に関する比較歴史研究:脅威認識・安心供与・コスト負担
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H00823
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18H00823
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分06020:国際関係論関連
- 研究機関
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- 一橋大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 13,130,000 円 (直接経費: 10,100,000 円 間接経費: 3,030,000 円)
研究概要
本研究では、冷戦初期から冷戦終結期までの西欧・アジア・中東の三地域における米国とその同盟国の関係性の比較作業を通じて、米国の同盟が地域秩序や国際秩序の形成に果たした役割を検討した。これにより(1)各地域において米国と同盟国の関係を規定した要因の異同性や共通性、(2)分析対象となる地域を横断する形で展開した事象の存在と、その背後にあった政治力学を解明することができた。また、この過程で(3)冷戦後から2020年頃までの米・同盟関係を同じ枠組で分析する必要性が明らかになったことから、冷戦初期から2020年頃までを通史的に叙述する共著を執筆・出版し、本研究の最終成果とすることとなった。
米国の同盟については膨大な研究があるが、本研究のように(1)比較のための参照点を明確に設定したうえで(2)複数の地域・時期を比較して共通性や異同性を抽出し、(3)その観点から国際秩序・地域秩序の史的変容の力学を捉えようとしたものは管見の限り存在しない。こうした手法を用いる本研究の学術的意義は、歴史研究として戦後国際関係史に新たな視座を提供することのみならず、国際政治学の同盟理論の精緻化に貢献することにも見いだせる。また本研究は、現在の米国の同盟政策や、各地域の秩序や国際秩序における米国の同盟の役割を理解するために不可欠な歴史的視座を提示するという社会的意義を有している。