主要重鉱物のマルチ同位体初生値を用いた砕屑性岩の高精度分類とその地質学的応用展開
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H01316
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18H01316
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分17040:固体地球科学関連
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 14,820,000 円 (直接経費: 11,400,000 円 間接経費: 3,420,000 円)
研究概要
本課題ではジルコン分離の際の副産物であり,従来破棄されるアパタイトおよびモナズ石からそれぞれSrおよびNd同位体比測定手法を確立し,ジルコンの年代測定とHf同位体比の測定を併せて,鉱物分離,U-Pb年代測定,Sr-Nd-Hf同位体比測定の一連のルーチン分析ルーチンを確立した.これらの測定には従来の同位体分析で必要である岩石の溶解や元素の分離を必要とせず,極めて迅速分析可能である.また,これらの同位体比は,母岩の火成岩類と類似した値をしめした.いくつかの課題は認められるものの,本研究の迅速マルチ同位体比測定システムにより,砕屑性岩中の鉱物粒子からより詳細な原岩情報が得られる結果となった.
堆積岩や変成堆積岩の原岩の年代や分類は,これまでは微化石に頼ることが多かったが,2000年以降は砕屑性ジルコンの年代測定が広く用いられるようになった.本研究はそれをさらに発展させ,数種類の鉱物のマルチ同位体を用いた分類を可能とした.このことは,より詳細な堆積岩の分類,堆積物の供給源の特定,堆積環境の制約を可能とし,日本列島形成史の詳細な解析に利用できることはもちろんのこと,超大陸の復元や造山帯の発達史等,地球規模の地質現象の解明に大きく寄与するものと考えられる.