航空機用電気推進システムの開発
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H03783
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18H03783
- 研究種目
- 基盤研究(A)
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
-
- 中区分21:電気電子工学およびその関連分野
- 研究機関
-
- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 43,810,000 円 (直接経費: 33,700,000 円 間接経費: 10,110,000 円)
研究概要
本研究では、B737に相当する120-200人乗りの1通路ナローボディの航空機を想定し、総推力20MWの航空機用電気推進システムの設計検討を行った。推進システムは、超伝導発電機・モータ・ケーブル、ガスタービン、インバータ、冷却装置から成る構成とした。超伝導推進システムはサブクール液体窒素冷却とした。燃料を液体水素とし、この冷熱を超伝導システムの冷却に活用した。まず、REBCO超伝導テープ線材の通電特性、交流損失特性を実測した。独自の低交流損失・大電流容量化手法を適用して、数値解析を行って、航空機用の全超伝導回転機の最適構造を探った。さらに、エネルギー・熱収支等システム全体の成立性も検証した。
2021年 10月、IATA(国際航空運送協会)は、2050年までに、航空機からのCO2排出量を実質ゼロにすることを議決した。航空機の電気推進化はこのもっとも有力な手法として期待されているが、航空機に適用可能な軽量な電気推進システムは、本研究で検討を行った超伝導推進システムしか考えられず、本研究成果は航空機のゼロエミッション化の実現に大いに貢献するものである。また、REBCO超伝導テープ線材の実測データに基づく、液体窒素温度領域で動作する全超伝導発電機・モータの定量的設計検討は、世界で他に類を見ず、最先端の研究開発成果である。