ヒグマは良い種子散布者か?ヒグマ生息地内外におけるヤマブドウ、サルナシの種子散布
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18K05751 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 18K05751
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
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- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分40010:森林科学関連
- 研究機関
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- 酪農学園大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,420,000 円 (直接経費: 3,400,000 円 間接経費: 1,020,000 円)
研究概要
本研究ではヒグマの生息地域と非生息地域で植物の種子の移動距離の比較を試みた。ヒグマ生息地域の一つにおいてヤマブドウの種子が10km以上離れたところまで定着していたことは、ヒグマ生息地域では長距離の種子散布があることを示唆した。ヒグマが生息していない地域の種子散布距離をうまく推定できなかったため、ヒグマが生息するかどうかがヤマブドウの種子の移動距離に影響するかどうかはわからなかった。ただし、ヤマブドウの遺伝的多様性はヒグマが生息する地域と生息していない地域との間に明瞭な違いがなかったことから、少なくとも長い時間スケールでみると動物群集の違いは植物の分散速度に影響を与えないと推測された。
本研究は、北海道の地域性を生かし、ヒグマの生息地域と非生息地域で植物の種子の移動距離・遺伝的多様性の比較を試みた初めての研究である。研究期間内にヒグマ非生息地域の種子の移動距離を評価できなかったが、遺伝的多様性を比較した結果は、植物の種子散布を担う動物群集が異なる場合であっても遺伝的多様性には大きな違いがないことを示した。