新生児遺伝性プロテインC欠乏症のスクリーニング法の開発と血栓性疾患への応用

研究課題情報

体系的番号
JP18K07849
助成事業
科学研究費助成事業
資金配分機関情報
日本学術振興会(JSPS)
研究課題/領域番号
18K07849
研究種目
基盤研究(C)
配分区分
  • 基金
審査区分/研究分野
  • 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
研究機関
  • 九州大学
研究期間 (年度)
2018-04-01 〜 2023-03-31
研究課題ステータス
完了
配分額*注記
4,550,000 円 (直接経費: 3,500,000 円 間接経費: 1,050,000 円)

研究概要

新生児期の遺伝性血栓症はプロテインC欠乏症が多いが、新生児期に活性値より診断することは難しい。今回、遺伝子検査を施行された新生児期発症プロテインC欠乏症41名(両アレル変異19名、片アレル変異9名、変異なし13名)の臨床像と活性値より、プロテインC活性値とプロテインC/プロテインS活性比を用いた遺伝子変異検出の予測式を作成した。 さらに、新生児血栓症についての全国調査を行い、プロテインC遺伝子変異を認めた9名のうち5名が片アレル変異であり、片アレル変異の遺伝学的効果が認識された。変異の有無にかかわらず75%が日齢3以内(胎児期を含む)に発症しており、早期診断、早期治療の重要性が示唆された。

新生児期の血栓症は増加傾向である。小児期血栓症の20%が遺伝性であり、新生児期はプロテインC欠乏症が多い。本邦では遺伝性プロテインC欠乏症に対して活性型プロテインC製剤が保険認可されているが、新生児期は凝固・抗凝固因子活性が生理的に低く、母体・胎盤因子や周産期合併症の影響も受けるため、活性値から遺伝性を推測することは困難である。 今回過去の症例の集積より、変異検出の予測因子を明らかにし、予測式を作成した。また全国調査より、遺伝性プロテインC欠乏症の遺伝学的効果を認識し、後遺症のリスク因子となることを明らかにした。今後も早期診断および急性期治療の更なる改善が必要である。

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