虚血性脳卒中に対する超急性期血栓回収療法の費用対効果分析
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18K09944
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18K09944
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
-
- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2024-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,420,000 円 (直接経費: 3,400,000 円 間接経費: 1,020,000 円)
研究概要
本研究では急性期脳卒中患者における血管内治療の費用対効果について脳卒中疾患コホートを用いて評価した。効果は発症1年後のmodified Rankin Scale (mRS)により算出した質生存調生存年(Quality-adjusted life years: QALYs)、費用は入院医療費と1年間のmRSの介護費用推定値の総計とした。発症1年後時点で、血管内治療の増分費用効果比は、794万円であり、費用対効果に優れるといわれる5,00万円を上回っていた。リアルワールドにおける血管内治療は短期的には費用対効果に優れているとは必ずしもいえない可能性があることが示唆された。
脳梗塞超急性期における血管内治療は国内外において広く普及している。血管内治療は医療費高騰を伴う医療技術の一つであることから、その価格と効果が適切であるか、医療技術の評価が求められるが、我が国における脳梗塞の血管内治療の費用対効果を検討した報告は少ない。本研究はリアルワールドデータである地域疾患コホートの臨床情報を用いて費用対効果を検討し、短期間でみた費用対効果は必ずしも優れたものとはいえないことを示した。今後、長期的な視点で費用対効果が改善しうるか、あるいは効果のより高い症例を選択する治療適応の是非について実臨床の場におけるフィードバックをおこなう研究の必要性を明らかにした。