近代日本の漢学塾と知識人の思想形成に関する史料学的研究
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- 田中 友香理
- 研究代表者
- 筑波大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18K12496 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 18K12496
- 研究種目
- 若手研究
- 配分区分
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- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分03020:日本史関連
- 研究機関
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- 筑波大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 3,250,000 円 (直接経費: 2,500,000 円 間接経費: 750,000 円)
研究概要
本研究は、明治期の漢学塾の関係史料を悉皆的に調査したことで、近代日本の知識人の思想形成における漢学の役割とその知的ネットワークの広がりを明らかにできた。主な研究対象は、天保4年から明治45年にかけて現在の新潟県燕市に存在した漢学塾である長善館とその館主・塾生の思想と行動である。その関係史料を悉皆的に調査するとともに、史料学的分析を加えたことで、幕末から明治期にかけての漢学塾がいかにして近代化を遂げたか、また地域の知識人がいかなる思想形成を果たし、漢学塾を結節点としていかなる知的ネットワークを構成したのかを考察できた。
社会史における意義:天保4年~明治45年まで存在した長善館に着目することで、漢学塾が地域における知識人ネットワークの形成に果たした役割を明らかにできた。また、県会議員・衆議院議員を務めた塾生のその後の動向を追い、彼らが長善館での人脈や修学内容をもとに治水事業に携わり、近代日本の「国土」や「国権」を重んじる政治集団の一角を形成していたことを明らかにした。思想史における意義:二代目長善館館主の三男で、京都帝国大学の漢学者・鈴木虎雄に着目し、その思想形成における「家の影響を明らかにした。史料学における意義:「家」「家族」「家業」に関する包括的な私文書の整理を行い、その構造と伝来を把握した。