活動的な通勤による糖尿病発症予防の効果推計に関する前向きコホート研究
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- 本田 貴紀
- 研究代表者
- 九州大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18K17925
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18K17925
- 研究種目
- 若手研究
- 配分区分
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- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分59040:栄養学および健康科学関連
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,160,000 円 (直接経費: 3,200,000 円 間接経費: 960,000 円)
研究概要
本研究では、地域住民を対象としたコホート研究の成績から、活発な通勤による糖尿病発症抑制効果を検証した。1988年に福岡県久山町の住民健診を受診した40-79歳の非糖尿病者1,208名を14年間追跡した。その結果、活動的な通勤者では、非活動的な通勤手段のみの者に比べ、糖尿病発症リスクが低かった。さらに、この知見が現代の日本人集団において適用可能であるかをウェブ調査により検討した。結果として、活動的な通勤者は全体の半数以上に上り、非活動的な通勤時間が長いと肥満を有するオッズ比が高い傾向にあった。以上から、ポストコロナ時代であっても、活動的な通勤が代謝性疾患予防に有効である可能性が示唆された。
我が国の糖尿病有病率は高止まりしている。一次予防が課題であり、余暇運動によるポピュレーションアプローチが期待されるが、特に中年期においては主に多忙のため運動習慣者の割合は増えていない。そこで、中年期の身体活動量を増加させる代替施策として、活発な通勤の普及が進められている。現在改定中の身体活動ガイドラインにおいても、自転車通勤を推奨事項として取り入れる予定となっている。本研究の知見は、我が国で活発な通勤、特に自転車通勤が有効である可能性が示し、上記ガイドラインの推奨を裏付けするものである。