中学生の振り返り文に基づく学習行動・学習能力の推定と活用
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- 峯 恒憲
- 研究代表者
- 九州大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18K18656 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 18K18656
- 研究種目
- 挑戦的研究(萌芽)
- 配分区分
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- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 中区分9:教育学およびその関連分野
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-06-29 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 5,720,000 円 (直接経費: 4,400,000 円 間接経費: 1,320,000 円)
研究概要
本研究は,学習者(中学生)の学習行動・学習能力の向上を目的として,学習者が書いた振り返り文章から学習行動や学習状況に関連する特徴的な記述表現を自動抽出し,抽出した特徴表現を学習者の学習行動・学習能力改善向けたアドバイス支援に活用する仕組み作りに関する研究を行った.具体的には学習塾から提供を受けた生徒の振り返り文を利用し,生徒の通う中学校の定期試験の成績の上位・下位を判定するモデルの構築を行った.振り返り文から目的語や動詞,否定・丁寧表現などの特徴を抽出し,重み付けを行い,様々な機械学習器との組み合わせを考慮することで,重み付けしない場合に比べて分類精度が最大30%以上,向上することを確認した.
本研究は,中学生の振り返り文を分析し,成績推定を行うことが可能となることを示した初めての研究である.研究の結果,振り返り文には成績推定に有用な特徴があること,各特徴と成績との間に異なる関連の強さがあること,この強さを考慮した重み付けを利用する場合と利用しない場合とでは,成績推定精度に最大30%以上の差が生じること,時期によって成績推定精度が変化し,最高の推定精度を得る機械学習器も一定しない(時期によって変化する,つまりデータの特徴が時期によって異なる)ことなどを確認した.これらから学習状況や学習行動の解釈,学習特性改善のためのアドバイス生成への応用も期待される.