近年、豪雨の増加に伴い大規模森林災害が多発し、森林管理は多面的機能の発揮促進から災害に強い森づくりへパラダイムシフトする必要性が検討されるようになってきた。森林では、林内雨は樹冠通過雨および樹幹流という形で林床に到達するが、両要素が森林環境に与える影響は林分構造によって変化する。そこで、針葉樹人工林の林分構造と水循環素過程を総合的に観測し、荒廃針葉樹人工林がどのような形で環境に悪影響を及ぼすのかを明らかにするとともに、得られた観測結果から山地災害や森林環境劣化を軽減する針葉樹人工林の森林管理法を提案する。