ナノ粒子に抗腫瘍剤や造影剤を担持したナノ薬剤は、腫瘍選択的な薬物送達が可能とされているが、臨床応用は進んでいない。その一因として、実験動物はヒトと腫瘍組織の構造が異なるため、ナノ薬剤のヒトでの動態を動物実験では予測できないことが挙げられる。本研究ではヒト腫瘍組織の構造や特性を反映した実験モデルをマイクロ流体デバイス上に構築する。このモデルを用い、ナノ薬剤が腫瘍に効果的に到達できる条件を明らかにする。