PD-1抗体治療において治療効果を予測するバイオマーカーを確立すること、PD-1抗体に対する不応答性の機序を解明することが喫緊の課題である。我々が少数例のヒト肺がん末梢血検体を用いて予備検討を行ったところ、PD-1抗体の治療効果と、T細胞のエネルギー代謝状況および血中腸内細菌関連代謝産物に関連性が示唆された。 本研究では、症例数を増やしてT細胞のエネルギー代謝と代謝産物に注目したPD-1抗体の治療効果予測バイオマーカーの確立を目指す。また、腸内細菌関連代謝産物や腸内細菌の状態がT細胞へ与える影響を調べることで、T細胞の免疫代謝と腸内細菌のクロストークのメカニズムを明らかにする。