小児の虚血性大腿骨頭壊死症であるペルテス病は、学童期に数年間の治療を要し、大腿骨頭変形遺残により青年期に重度の股関節障害を引き起こす疾患である。発症時年齢が若いほど股関節予後が良いことは広く認識されているが、その基礎的なメカニズムはほとんどわかっていない。本研究では骨頭虚血後に生じる軟骨肥厚変化に着目し、年齢によって軟骨形成能や骨形成能が異なることが股関節予後に関わる一因ではないかと仮説をたて、画像的検討「MRIによる三次元的軟骨性大腿骨頭の検討」と動物実験「骨壊死マウスモデルにおける骨軟骨形成能の検討」という二つのアプローチから仮説を検討する。