メカノケミカル的手法による細胞挙動のダイナミック制御用バイオチップの開発
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- 川島 丈明
- 研究代表者
- 東北大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP08J05826 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 08J05826
- 研究種目
- 特別研究員奨励費
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 複合新領域 > ナノ・マイクロ科学 > ナノ材料・ナノバイオサイエンス
- 研究機関
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- 東北大学
- 研究期間 (年度)
- 2008 〜 2010
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 1,800,000 円 (直接経費: 1,800,000 円)
研究概要
近年,多くの筋神経系の疾患の研究がおこなわれてきている.このような実験では動物実験が盛んに行われている.しかし,このような動物実験は今後縮小する必要が社会的に叫ばれている.そのためには,培養細胞を用いた効果的な実験系と評価方法の確立が必要である. 最終年度では,細胞転写技術を神経芽細胞(NG108-15)と筋芽細胞(C2C12)に応用した.まず,筋芽細胞をフィブリンゲルシート上に容易にライン状のパターンを転写することが可能であることを示した.続いて,フィブリンゲルシート上に転写した筋芽細胞パターンを分化誘導し,容易にパターン化筋細胞への分化が可能であることを示した.さらにこの転写後のパターン化筋細胞のゲルシートへ電気刺激を付加することで,従来の平面基板上での実験系と比較し,より効率的に培養筋細胞への運動能力の付加が可能となることをしめした.また,このパターン化培養筋細胞ゲルシートと神経芽細胞のパターンを転写したゲルシートとを張り合わせることによって容易に3次元ゲル培養において,筋-神経接合部様構造の構築を実現した. また,着脱式細胞培養基板を用いて,観察が容易な筋-神経接合部の構築も行った.従来の共培養手法の多くは,ランダムな培養が多く,特定の領域に細胞間接合部を作りこむことが難しかった.このために,共培養を単に行っても,目的の接合部位が不明確であり,接合部位を指標とした評価を行うことは難しかった.そこで,細胞-細胞間の接着部位を特定の領域に作製可能な着脱式培養基板を使用することで,容易に観察が可能な培養系が構築可能となる.具体的には,ポリスチレンとポリジメチルシロキサン(PDMS)で作製した着脱式培養基板上に筋芽細胞と神経芽細胞を培養し,各細胞を適切なタイミングで分化し着脱することで,着脱面付近に筋-神経接合様構造の作製が可能であることを示した.