兆円規模の市場を有する圧電材料は現在危機的状況にある。「圧電の王様」とも呼ばれる優れた圧電特性を有するPZT材料は半世紀以上に亘って圧電市場を支えてきたが、有害な鉛を含有するため環境規制の対象になっている。しかし、圧電特性と安定性においてPZTを代替できる高性能非鉛圧電材料はまだ現れていない。本研究では、申請者らが発見した圧電特性を大きく増幅する「三重点MPB機構」及び特性の安定性を向上するdiffuse ferro-ferro相転移機構を非鉛圧電材料系に応用し、圧電特性と安定性の両方ともPZT材料に匹敵する非鉛圧電材料を創出し、PZTの代替を目指すことを目的とする。