本研究は、顔表情コミュニケーションの文化的な差異ならびに普遍性に対して、大脳皮質処理と皮質下処理がどのように影響するかを調べる。霊長類で特に発達した大脳皮質処理は、生まれた直後には未熟であり成長とともに周囲の環境を学習して高度に成熟する。一方、進化的に古い皮質下処理は大雑把ではあるが生まれた直後から機能している。大脳皮質処理と皮質下処理を独立したニューラルネットワークモデルとして模倣し、それらのモデルの特性から文化的な差異や普遍性への貢献を解析・比較する。