植物が持つ自己防御システムであるアレロパシー現象は、植物間のコミュニケーションとみなされる。これまでユキヤナギのアレロケミカルであるシス桂皮酸の蛍光プローブを用いた分子イメージング実験により根冠への局在化を観察し、この化合物が重力屈性に影響を及ぼす可能性を示した。そこで重力屈性阻害試験をシス桂皮酸類縁体に施したところ、重力屈性を特異的に阻害するku-76およびより強力なku-288を見出した。 そこで本研究ではku-76の構造展開を行い強力な重力屈性阻害剤を開発するとともに、構造活性相関研究を通じて分子プローブの合成を行い、それを用いた作用機構の解析を行うことを目的とする。