NASHにおける炎症細胞の病態生理的意義の解明に向けて、1細胞遺伝子発現解析を駆使して、研究代表者らが独自に開発したNASHマウス(MC4R欠損マウス)を用いて未病あるいは可逆的な脂肪肝から不可逆的なNASHの発症・進展における炎症細胞社会の時間的・空間的変化を検討する。NASHマウスと急性肝障害マウスの比較により、炎症の慢性化と線維化の基盤病態を明らかにする。臨床検体を用いて基礎研究の研究成果の臨床的妥当性を検証する。以上により、NASHの発症・進展における炎症細胞社会の時空間的変化を端緒として慢性疾患の可逆化・慢性化・不可逆化の分子機構の解明とNASHの予防戦略の開発の手掛かりを得る。