強磁性相関が強くスピン三重項超伝導が発現していると考えられているUTe2の発見により、ウラン化合物の磁性と超伝導の研究は新たな局面を迎えた。本研究は、実験と理論の両面から盛んに研究が行われているUTe2の超伝導多重相の秩序変数、圧力誘起磁気秩序に加え、代表者が最近発見した結晶構造相転移、新しい圧力誘起相などを明らかにすることを目指す。また極低温での精密磁化測定、圧力下点接合分光測定などで多重超伝導相の磁気特性や超伝導ギャップのヒントを掴む。さらに超高圧下における物性測定やx線回折実験により、低温における結晶格子の圧縮率やUTe2の構造相転移の相境界、圧力誘起相転移との関連性を調べていく。