炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のリサイクル手法として熱分解による炭素繊維(CF)回収が主流である.しかし切断破砕した後に熱分解されるため,回収されるCFは短繊維となり,用途が限定される.それに対して,電気処理法はCFの熱損傷を抑制して樹脂を分離できるため,長繊維のCF回収が期待できる.しかしCFと樹脂の分離現象は,科学的かつ定量的に明らかにされていないため,電気処理の優位点が示されていない.本研究では,「どのようにCFと樹脂は分離されるのか?」の命題に対して,バイポーラ電解槽による分離メカニズムを電気インピーダンスモニタリングを併用して実験的および理論的な観点から体系的に解明する.