この研究は、人間の視知覚のしくみから導かれた人間のための空間づくりを追求することの意味について問いかけ、今後の学術的・技術的に注力を必要とする分野とその方向性を示すものである。実在の空間でのコミュニケーションに関する創造的発展を目指す社会的な取り組みの波及と振興につながるものと考える。本研究のデータの分析および考察結果は、多くの人々がスマートフォンを所持したうえで形成されている現在のパーソナルスペースとその特質を踏まえた空間設計における効果予想、既存の空間のコミュニケーションの発生の質的向上を図るリノベーション計画の効果予測を行う上で、有効な知見として活用可能と考えられる。