津波に伴って発生する気圧変動は、津波の波高や継続時間についての定量的な情報を含んでいる。一方、近年の技術的進歩により、津波に伴う気圧変動を一般市民自らが測定できる可能性が開けている。本研究では、(1) 実際に安価かつ高性能な気圧計を多数作成し、(2) その性能を検証し、(3)作成した気圧計を九州大学伊都キャンパス周辺で九州大学の学生等に配布して気圧測定を行わせる実証実験を行う。これにより、市民サイエンスによる津波警戒システムの実現に向けた技術的社会的課題を整理する。自らの測定により防災に寄与する経験により、市民のサンプルとしての学生にどのような意識の変化が生じるかにも注目する。