ビスホスホネート製剤をはじめとする骨吸収抑制薬の投与後に発症する難治性の顎骨壊死は、薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)と呼ばれている。MRONJの詳しい発症メカニズムはいまだ明らかになっておらず、確立した治療法がないのが現状である。 脂質異常症治療薬であるスタチンの多面的作用に着目し、先行研究においてスタチンの投与によってMRONJ症状の治癒を促進することを確認した。しかし、その細かいメカニズムについては未だ解明できていない。そこで本研究では、MRONJ 症状に対するスタチンの詳細な作用メカニズムについて明らかにすることを試みることとした。