本研究はモンゴル覇権下の書院祭祀に着目し、儒教に立脚した伝統的な書院祭祀、及び祭祀の儀礼と釋奠マニュアルが東アジア各地域にどのように伝わり、受容・普及・変容したかを解明するものである。さらにはモンゴル政権の儒教政策を王朝イデオロギーの観点から捉え、書院祭祀と関わる各地域の知識人が有する思想・宗教上の特徴等に焦点を当て、東アジアが共有する儒教文化が内包する諸問題に取り組む。