東アジア域ではPM2.5の減少傾向が観測されているにも関わらず、対流圏オゾン濃度の上昇が問題となっており、その要因は未だ明らかでない。一方気象場の長期的な変化としては、地球温暖化による気温上昇等が顕在化している。温暖化に伴う気象場の変化とオゾンの増加の関連性を明らかにすることは、今後の温暖化環境下での大気質を予測し、オゾンの前駆物質の削減対策を立案する上で重要である。本研究では2000-2022年の東アジア域に着目し、対流圏オゾンおよび気象要素の長期観測データから高温およびオゾン高濃度イベントを抽出し、温暖化に伴う気象場の変化が対流圏オゾン濃度へ及ぼす影響を数値モデルにより定量的に評価する。