本研究は、公共物のデザイン開発における当事者ニーズの抽出に、公共物のデザイン開発におけるニーズ把握を補完する役割が期待できるNGOへの網羅的な調査が果たし得る役割を分析し、効果的な調査実施に必要な方法論を構築する事を目的とする。ここでは、網羅的ニーズ把握が困難なインドのムンバイ都市圏を対象地域とし、高い公共性が求められる鉄道車両を公共物として扱う。そして、デザイン発注者およびNGOが把握するニーズのギャップを明らかにし、日本人デザイナーが提供できるデザインシーズとの比較分析を行うことで調査方法の有効性を検証し、「異なる社会背景を持つ海外の潜在的ニーズの推定を助けるデザイン手法」を構築する。