本研究は再生医療の新たなツールとして期待されるダイレクトリプログラミングについて、その再現性と信頼性を向上させることを最終的な目標とする。 ダイレクトリプログラミングは通常、特定の転写因子セットを体細胞に強制発現することで人為的な分化誘導を引き起こす。しかし、転写因子の発現量や発現比といった定量的な情報については、これまでほとんど明らかになっておらず、技術的な再現性や信頼性に課題が残されていた。 そこで本研究では、転写因子の発現量を厳密に制御する系を導入し詳細な解析を行うことで、定量的な情報に基づいた高再現性・高信頼性を有する臨床医療に応用し得るダイレクトリプログラミング技術の実現を目指す。