冷凍空調分野が消費する電力に起因する二酸化炭素排出に加えて,現在使用されている冷媒の多くが強力な温室効果ガスであることから,省エネルギー性と環境性に優れた冷凍空調機器の開発は極めて重要な課題である。特に,超低温フリーザーや高温ヒートポンプなど,圧力比が大きくなるサイクルでは多段階の圧縮過程によって必要な圧力差が確保されており,サイクルが複雑になると同時に制御パラメータが多くなる.本研究では,そのような多数の制御パラメータを有するヒートポンプサイクルについて,リアルタイムの運転情報に基づく最適化によってシステムのエネルギー消費を最小化するための手法の確立を目指している。