本研究は、これまで自然科学分野のアプローチが中心であった大学博物館に、美術史・芸術学の視点を持ち込み、「アート・インターベンション(芸術の介入)」という展示実践を通して、博物館を活性化する方法を学際的に探究する。アート・インターベンションとは、アートの視点からの展示を自然史系博物館で行うことで、博物館を科学・芸術・社会を横断した知の創造の場とし、実践的に運用する手法である。本計画では、大学博物館のモデルとして九州大学総合研究博物館を取り上げ、学術標本コレクションの埋もれていた価値を新たに見いだすとともに、アート・キュレーションを通してその価値を可視化する方法を探究する。