脊髄損傷後の組織修復には限界があり、そのため重度の損傷を生じた患者は一生残存する麻痺に苦しむ。この脊髄損傷の病態が年齢依存性である可能性があるため、生後2日のマウス (P2マウス) と8週齢マウス (Adultマウス) を用いてそれぞれ脊髄損傷を作成したところ、Adultマウスでは歩行不能な重度の麻痺が残存した一方で、P2マウスではほぼ正常に歩行可能な程に脅威的な運動機能回復が起きる事が明らかとなった。そこで、P2マウス特異的な中枢神経組織再生メカニズムを多面的に解析し、『幼若な脊髄の性質を成熟した脊髄に導入すれば、損傷脊髄が再生するのか』について検証する。