キラリティを持つ分子とその鏡像異性体の分離は創薬や有機合成など多くの分野で不可欠であり、キラルカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーが広く利用されている。ところが、キラルカラムとして用いられる高分子は構造が柔軟であり、吸着過程で見られるキラル分子との分子間相互作用は複雑となるため、分子レベルでのクロマトグラフィーの仕組みの理解は遅れている。本研究では、キラルカラムに対する分子シミュレーション手法を確立し、キラルカラムとキラル分子の間のダイナミックな分子間相互作用を明らかにすることで、キラルカラムクロマトグラフィーの原理解明と機能予測モデルを構築することを目指す。