近年、バイオ医薬品の製剤技術の発展に伴い、抗原を皮膚に塗布することでワクチン効果が得られる「経皮ワクチン」に注目が集まる。皮膚には抗原提示能を有する樹状細胞が高密度で存在しており、ワクチン投与のターゲット部位として魅力的である。一方、経皮投与後の抗原の浸透に関しては、依然として受動的な拡散に依存しており、樹状細胞への取り込みと、これに続く免疫細胞の分化制御には至っていない。 本研究では、皮膚樹状細胞ターゲティングペプチドを新たに取得し、樹状細胞に対する効率的な抗原送達を実現する。これを通じて、積極的に細胞障害性T細胞を誘導し、ガンを治療可能な「経皮ガンワクチン」を提案、創成する。