多発性骨髄腫では、寛解期においても耐性細胞が残存し再発を認める。病態進展時には髄外病変を形成することがあり、生存期間延長に伴い発症頻度が増加している。髄外病変は治療抵抗性のためその克服は喫緊の課題だが、形成機構や治療標的は不明である。本研究では、寛解期を含む経時的な骨髄検体と髄外病変に対しscRNA-seq・空間的遺伝子発現解析を行い、「寛解期骨髄に残存する髄外病変の祖先細胞」や「髄外病変」と、その「微小環境」が持つ遺伝子発現情報を探索する。さらにin vitro/vivo実験系により、耐性化や髄外病変形成に重要な分子・分子間相互作用を特定し、治療標的の同定や形成機構の解明を目指す。