ヤマセの発現機構と予測に関する研究

研究課題情報

体系的番号
JP05452373
助成事業
科学研究費助成事業
資金配分機関情報
日本学術振興会(JSPS)
研究課題/領域番号
05452373
研究種目
一般研究(B)
配分区分
  • 補助金
審査区分/研究分野
  • 複合領域 > 自然災害科学
研究機関
  • 広島大学
研究期間 (年度)
1993 〜 1994
研究課題ステータス
完了
配分額*注記
5,700,000 円 (直接経費: 5,700,000 円)

研究概要

本年度は前年度の研究を継続し、2年間の研究結果をとりまとめ、成果報告書を出版した。主な成果の概要は以下の通りである。 1.1958〜89年の暖候期の半旬値の合成図解析によりヤマセ型循環を見出した。顕著なヤマセ時には、北極海上の寒気がベーリング海から南下し、さらにオホーツク海、日本方面へ移動する。この動態は北極域の海氷分布の変動に関連している。 2.北日本の太平洋オホーツク海側の観測点における暖候期の日平均気温偏差の因子分析により、オホーツク海側の低温に約2日遅れて太平洋側の低温が現われ、またいづれの低温発現もその数日前にシベリアのレナ河流域に低温が見出される。 3.樹木年輪による気候調査の手法を用い、江戸時代から昭和にいたる期間について年輪と気候との関係を調べ、この結果に基づいてヤマセの侵入限界と進路を推定した。 4.低温・高湿な北東気流(ヤマセ)の発達・維持の過程を明らかにするために、オホーツク海・千島列島付 近から三陸海岸に達するまでの北東風が卓越する気団の変質過程を2次元放射対流モデルを用いて調べた。海洋上で形成される湿潤対流混合層の発達には混合層に発現する層状雲の雲頂での長波放射冷却と混合層上面でのエントレーメントが重要な役割を果すことが示された。 5.1993年暖候期、北日本の太平洋岸では低温の北東気流が断続的に発生し、顕著なヤマセとなった。北日本の太平洋沿岸域に下層雲を伴う冷涼な北東気流の発達した7月17〜19日を対象として予報実験を試みた。海洋上の湿潤混合層は冷えながら形成され、この冷却と海からの水蒸気の供給により下層雲が発達し、そのことによってヤマセが維持されている。

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