下等植物葉緑体におけるRNAエディティングに関する研究
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- 若杉 達也
- 研究代表者
- 富山大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP07740584 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 07740584
- 研究種目
- 奨励研究(A)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 理学 > 生物学 > 遺伝
- 研究機関
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- 富山大学
- 研究期間 (年度)
- 1995 〜 1995
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 1,000,000 円 (直接経費: 1,000,000 円)
研究概要
葉緑体におけるRNAエディティングの機構が植物進化のどの段階で獲得されたかを明らかにする目的で、緑藻であるクロレラとシダ植物のワラビについて葉緑体でのRNAエディティングの有無を調べた。 クロレラでは葉緑体DNAの構造決定を行い、全塩基配列を決定した。その配列データをもとにエディテング部位を予想した。その結果、psbA産物のC末端プロセシング部位のアミノ酸残基、chlL産物の保存されたシステイン残基に対応する部分、infAの開始コドンなどが他の植物のものと異なっておりRNAエディティングが起きている可能性が考えられた。これらの部位で実際にRNAエディティングが起きているかどうかをゲノムDNAとcDNAの配列を比較して調べた。しかし、クロレラでは解析したいずれの部位においてもRNAエディティングは確認できなかった。なお、この研究の過程でクロレラchlL遺伝子には他の植物には見られないイントロンが存在することを明らかにした。 シダ植物のワラビでは葉緑体遺伝子accDの転写物において14カ所でRNAエディティングが起きていることを明らかにした。 以上の結果から、緑藻の少なくともクロレラにおいては葉緑体でのRNAエディティングが起きている可能性は低いことが明らかになると同時に、シダ植物ではすでにRNAエディティングの能力が獲得されていることが明らかになった。これまで種子植物以外では葉緑体におけるRNAエディティングの報告はなかったが、本研究の結果、緑藻からシダ植物へと進化してくる過程においてRNAエディティングの機構が獲得されたことが示唆された。
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1040282256636048768
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- KAKEN