天然原料の高純度精製法としてのフラッシング法の工業的実用化
-
- 林 剛
- 研究代表者
- 帝京科学大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP08650789
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 08650789
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
-
- 工学 > 材料工学 > 無機材料・物性
- 研究機関
-
- 帝京科学大学
- 研究期間 (年度)
- 1996 〜 1997
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 1,900,000 円 (直接経費: 1,900,000 円)
研究概要
フラッシング法は鉱石スラリー中の目的とするサブミクロン粒子を油相中に抽出分離する選鉱法であり,林がセラミック原料の高純度精製を目的に開発した方法である。本研究では,実用機である往復回転式液-液連続抽出塔を用いて土状黒鉛及びセリサイトの精製実験を行いフラッシング法の実用性を総括した。 1.実験方法 粘土質不純物が多い中国産土状黒鉛精鉱及び微細な硫化鉄を含む岡山県産と台湾産セリサイトを実験試料に用いた。これら原料を水中に懸濁してミクロンオーダーで分級し,土状黒鉛では黒鉛を,セリサイトでは硫化鉄をそれぞれ油相へ移行させる表面の疎水化条件を調整した。往復回転式液-液連続抽出塔は島崎製作所製の実機を用い,高剪断力で構成粒子を遊離させ,かつ微細な油滴を形成させるために,円筒翼の往復回転数,スラリーの固体濃度,水相-油相比,給鉱速度などの操作条件を決定した。 2.結果 土状黒鉛はスラリーをクエン酸,EDTA,亜ニチオン酸ナトリウム存在下でpH4.3付近に調整して,黒鉛粒子を灯油-メチルイソプチルケトン混合油相へ移行させた。油相中の黒鉛粒子は,非イオン界面活性剤の添加により再び水相に戻し,遠心分離により回収し精鉱を得た。特に2μm試料の灰分残留量は3mass%にまで著しく減少した。セリサイトは同様なスラリー調整条件で硫化鉄を油相に分離し,水相の粘土粒子を回収した。台湾産セリサイトの鉛及び砒素残留量は化粧品原料基準を満たす範囲まで減少した。岡山産セリサイトでは酸化させると鉛が除去し難いことも判明した。いずれの場合にも油相は硫酸洗浄により再生された。 結論 以上の精製結果から,フラッシング法は工業的に十分に実用可能な天然原料の高純度精製方法であることが認められた。
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1040282256653825408
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- KAKEN